給食ができるまで

本施設は、伊達市内、壮瞥町、大滝地区にある小中学校の学校給食約2,800食(R2.4現在)をまかない、かつ、災害発生時には市民の方々へ、1日約1万食の災害食を提供することが可能な災害時の食の最前線の基地でもあります。
本施設の際立った特徴の一つとして、だて歴史の杜公園と一体となった敷地にあり
公園、周辺施設へのアクセス、また、災害時の食の最前線として、体育館を含む周辺の防災拠点との連携が期待されています。
さらに給食センターとしての機能に加えて、建物2階の調理実習室やレストランなど市民の皆様と食育活動を推進させるための施設を目指しています。

荷受け室

この部屋では、学校給食の調理に必要な食材が業者より納入されます。検収担当者が立ち合い、納品伝票と食材、数量等が間違いないか照らし合わせ、さらに食材が適切な温度で納品されたかを確認するため食材の温度をはかります。
なお、食肉、魚介類等の肉汁などの汚染も考慮し、予め、野菜や果物と、食肉、魚、鶏卵、冷凍品等を荷受けする部屋は区分けしています。

荷受け室

検収室

納入された食材の状況を確認し記録します。検収作業は、傷み、異物などを見逃さないために、複数のスタッフで何重ものチェックを行います。
万が一食中毒が発生した際に、原材料からの汚染の有無を判断するため原材料の一部を保存します。検収が終了した食材は、清潔に管理した専用容器に移し替え、各処理室、パススルー式の冷蔵、冷凍庫へ搬入して、保管します。

検収室

野菜、果物の下処理室

器具保管庫にはこの部屋で使用する専用の容器、まな板、包丁、器具等が保管されています。
シンクは果物を洗浄、消毒する果物専用の4槽シンク1連と、野菜を洗浄する専用の3槽シンクが4連設置されています。野菜などはここの部屋に搬入され、野菜の土落とし、皮むき等を行います。
その後、異物が付着していないかなど、綿密に目視確認を行います。
目に見えない細菌を限りなく減らすため、3槽シンクで槽を変えて3回洗い、専用の容器に入れて、食材のみが通るパススルー式の受け渡し口より煮炊き室に搬入します。

野菜、果物の下処理室

煮炊き調理室内の上処理コーナー

ここでは主に調理前の食材を切ります。食材は料理の用途に合わせて、フードスライサー、賽の目機、ミキサーなどの専用の大型機械を使用し切ります。
フードスライサーは、千切り、ささがき、いちょう切り等の切り方が可能で、ミリ単位での調整も行うことができます。
児童や生徒に食べやすい大きさを考え、場合によっては、包丁を使って切るなど、その料理に適した食べやすい切り方を心がけています。

煮炊き調理室内の上処理コーナー

煮炊き調理室

この部屋は主に汁、煮物、炒めものを中心に調理する部屋です。調理に使用する蒸気回転釜を6台設置しています。
ここでは食材を煮る、炒める等の調理作業を行います。
蒸気釜は最大1釜で約800食の調理が可能です。
料理の用途に合わせて、調理方法、時間などを考慮し、おいしく調理しています。
出来上がった料理は、各学校へ配送される前に担当者による検食が行われます。
その後、決められている温度基準まで確実に加熱されているかを確認するため、温度計を使い温度確認をしたのち、クラス毎の専用の保温食缶に配食します。
配食終了後、各学校へ配送するコンテナ内に収納します。

煮炊き調理室

和え物室前室

主に和え物やサラダに使う食材の加熱や冷却を行う部屋です。加熱作業は、和え物、サラダ等で使用する食材だけを加熱専用の蒸気釜で茹でます。細菌を死滅させるため、75℃で1分以上、またはこれと同等以上の温度までの加熱調理を行います。
その後、専用のザル等に取り出し、パススルー式の真空冷却機という大型の機械で急速冷却を行います。
冷却した食材は温度の上昇や他からの汚染を防ぐため和え物室内にある加熱調理後専用の冷蔵庫で和える直前まで保管します。

和え物室前室

和え物、果物室

主に和え物やサラダ等を調理したり、消毒された果物を取り扱う部屋です。
和え物に使用する専用の回転釜2台を設置しています。
加熱・冷却後に冷蔵庫で保管していた食材を回転釜で和え、味付けを行います。
果物も同様に、専用の器具で処理します。
完成した料理は、専用の保冷材を使用した保冷食缶に配食して、コンテナ内に収納します。
この部屋では、全て調理済み食材を扱いますので、特に衛生面に留意しなければならない部屋となっています。

和え物、果物室

炊飯室

お米が収納されている納米庫から、予めタイマーをセットしておくことで、全自動でお米が計量、洗米、浸漬されます。
その後手動で水切り、定量注水を行い、ガス連続炊飯器でお米を炊きます。炊飯専用の釜は1釜約6,6キロの米を炊飯することが可能で、毎日40~50の釜で炊飯します。
50釜炊飯するのには約60分かかります。
炊飯後は回転ほぐし機という機械によってお米ご飯をほぐします。

炊飯室

揚げ物、焼き物、蒸し物室

ガス式連続フライヤー1台、パススルー式スチームコンベクションオーブンが3台設置されています。
食材をフライヤーで揚げる、オーブンで焼く、蒸すなどの調理を行います。最新の設備機器の導入により、加熱ムラ、パサつき等を防ぎ、焼き色を調整する等の工夫ができるため、より風味よく仕上げることが出来ます。
子どもたちの五感を養う料理の提供を目指しています。

揚げ物、焼き物、蒸し物室

アレルギー対応調理室

アレルゲン物質の混入を防止するため、1階の一般調理区域とは完全に独立しており、食材荷受けから配缶に至るまでの工程の全てをこの調理室で行います。
様々なアレルギー食に対応するため、IHコンロ、小型のコンベクションオーブンを設置しています。
また、使用する専用の器具等も細かく色分けしています。
調理し、完成した料理は専用の個別容器に入れ、学校名、クラス、氏名を記載したプレートを貼り、コンテナ内に収納します。
コンテナに収納する時は、責任者と複数のスタッフがチェックリストと照らし合わせ、間違いなくアレルギー食対象の児童、生徒のもとに届くようにしています。
将来的なアレルギー児童、生徒の増加を見込み、最大100食まで対応可能な調理能力を備えています。

アレルギー対応調理室

洗浄室

食器洗浄機、食缶洗浄機、コンテナ洗浄機、残菜処理機などの大型の機械を設置しています。
食器洗浄機はカゴに食器を入れたままで洗浄することができ、スタッフの負担が軽減され、効率よく作業を行うことが可能です。
食缶洗浄機は、下洗い機から本洗い洗浄を自動で行います。
コンテナ洗浄機は、洗浄、すすぎ、水切りを自動で行います。
残菜処理機は学校から回収した残菜を流し込み粉砕処理し、床下のパイプ管を通り、残菜庫の厨芥処理機へ圧送する仕組みです。
厨芥処理機で脱水するシステムにより残菜重量が軽減し、残菜運搬作業が効率よく行えます。残菜処理した生ごみは、伊達市肥料センターに搬入し、処理を行います。

研修室、調理実習室

研修室は児童、生徒が見学した際に授業でも使用できます。
また、食育センターで働いているスタッフの勉強会、研修、打ち合わせ等で使用します。
調理実習室では、体験型の食育実験講座等を行います。
食育事業のプログラム内容によっては、研修室、調理実習室を自在に組み合わせることが可能で、多目的利用を支えるフレキシブルな施設構成となっています。

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